1)「はりまマルチメディアスクール入学式」 to English |
1.趣旨:「はりまマルチメディアスクール」のオープニング行事として、 スクールの趣旨説明を行うとともに、先進的な情報化の事例を学 び、今後の情報化の推進についての理解を深めるため、入学式を 実施しました。 2.時期:平成9年8月1日(金)13:30〜17:00 3.場所:県立先端科学技術支援センター大ホール 兵庫県赤穂郡上郡町金出地1479-6 4.参加費:無料 5.参加者数:75人 6.内容: (1)開校挨拶 兵庫県知事公室首席審議員 青砥謙一 本日のまちびらきを契機に、播磨科学公園都市をはじめ西播磨地 域の発展を図るため、県、関係団体が共同して「はりまマルチメデ ィアスクール」を実施することとしました。 県としては、この事業を通じて、産・官・学・民のネットワーク を構築し、西播磨地域の情報化を一層推進していきたいと考えてい ます。 (2)はりまマルチメディアスクールの概要説明 兵庫県知事公室審議員(情報通信担当)松本 孝一 はりまマルチメディアスクールの趣旨、各種セミナー、はりまこ ども風土記など全体のプログラムについての説明を行いました。 (3)対話方式による授業 小西 康生(神戸大学教授・兵庫ニューメディア推進協議会地域情報 化策専門部会長)をコーディネータに、行政、商工団体、教育、企業 のさまざまな立場から、先進的な情報化の取り組みについて報告をい ただき、地域の情報化の考え方、進め方についての理解を深めました。 ア.「マルチメディアによるまちづくり」 京都府園部町企画国際課係長 山下 秋則氏 園部町は、口丹波地域の行政、経済、文化の中心地として発展 してきましたが、近年は高等教育機関の誘致、国際化・情報化に よる「国際学園都市」づくりを進めています。 その第一歩として、平成4年10月に町営ケーブルテレビ「園部 情報センター」を開局、地域に密着した情報の提供を行ってきま した。その後、インターネットの普及に見られるように情報通信 の技術革新は急速に進展しており、ケーブルテレビはマルチメデ ィアの通信基盤として注目されてきました。 現在、園部町では、図書館・資料館機能を併せもつ多機能情報 センターとして「マルチメディア文化博物館」の整備を進めてい ます。また、ケーブルテレビを活用した小中学校の遠隔教育にも 力を入れています。今後、さらにケーブルテレビの高度化を進め、 家庭や学校、役場、公民館、医療・福祉機関を結ぶ地域イントラ ネットを構築し、また、BBCCの遠隔教育実験にも参加し、「マル チメディアタウン」を実現していきたいと考えています。 そのためにも、「だれでも」「いつでも」「どこでも」マルチ メディアを活用できる環境をハード、ソフトの両面にわたって整 備していく必要があります。また、新光悦村など新産業おこし、 在宅介護支援など地域福祉などの分野でマルチメディアの活用を 進めていかなければなりません。 イ.「地域産業おこしと情報化」 福崎町商工会専務理事 佐賀 和雄氏 福崎町では地域の特産品である「もち麦」を利用したもち麦麺 の開発を進めてきました。新しい技術を活用して製品化はできて も、実際に市場で流通できる商品化には至らないケースは多く見 られます。また、商品化しても、効果的な宣伝を行い、継続的に 顧客を確保することが重要です。 インターネットを活用して、商品広告や販売が行われるように なってきました。支店を開設するコストがかからないという点で はメリットがありますが、インターネットにもデメリットがあり ます。もち麦麺もインターネットで情報発信していますが、二週 間に一回は商品を変えていかないとアクセスは増えませんし、ま た、表示時間が長くかかる写真は使わない方がよいと思います。 リピーターを確保するために、コンピュータによる顧客管理を 行っています。また、どんな麺類が好みか、どんな色が好きかは、 地域によって異なります。こうした情報も、地図上で色分けした データベースを作成して販売促進に活用しています。 一方で、ネットワークを活用した取引にはリスクが伴いますが、 信用できる取引先かどうかを十分チェックすることが重要です。 これからの地域産業おこしは、「特産品」に甘えてはいけませ ん。創造的な知恵と「バカ」と言われるほど一生懸命に取り組む 人間が求められています。 ウ.「学校教育におけるインターネットの活用」 兵庫県立教育研修所指導主事 上谷 良一氏 情報教育の目的はコンピュータを教えることではありません。 こどもたちの個性や創造性を伸ばすために、情報通信を活用して いくことが重要です。 学習指導要領にも情報教育の項目が入れられており、大学入試 や教員採用試験にも情報機器の活用が含められつつあります。現 在の学校教育の体系を変えていく必要があります。 学校へインターネットの導入が進められつつありますが、まず、 こどもたちが、学校生活で日常からインターネットを自由に活用 し、自分たちの活動を表現したり、伝えたりしていく取り組みが 必要です。たとえば、修学旅行の模様をホームページで作成すれ ば、学年を越えた交流が深められます。 また、学校の情報を積極的に発信し、公開することにより、学 校の壁を越えて、学校相互の交流を進めていくことが求められま す。さらに、地域社会との交流ももっと深めていかなければなり ません。 図書館は地域のシビックセンターにしていこうという動きがあ りますが、学校から地域や県民にネットワークを広げていくこと が重要です。 そのためには、こどもや教師だけでなく、県民の情報リテラシ ーを向上していくことが重要な課題となってきます。 エ.「仮想空間のコミュニケーション教育への応用」 (株)メディアフュージョン代表取締役 榊原 淳氏 長期療養しているこどもたちが、自由にコミュニケーションで きる仮想空間として、ヴァーチャルキッズパークの実証実験を、 県立のじぎく療育センターと共同して進めています。 これは、インターネット上にVRMLという技術を活用して、3次元 のコンピュータグラフィックによる仮想空間を作り、こどもたち が、自分の分身となる人形を選んで、そこで出会う他人と自由に 会話をしたり、遊んでもらうシステムです(http://www.MediaFu sion.co.jp 参照)。 病院や家庭で長期療養しているこどもたちや障害者、高齢者は、 限られた生活環境のために、人とのコミュニケーションに偏りが ちです。特に、成長期のこどもは心の発育に問題が起こる場合も ありますので、情報通信を活用することにより、さまざまな壁を 乗り越えて自由に出会い、集うことができる楽しい空間を提供し たいと考えたものです。 実験は、阪神・淡路産業復興推進機構が実施する産業高度化シ ステム開発実証の一環として採択されたものであり、今後継続し て進めていく計画ですが、のじぎく療育センターだけでなく、他 の地域にも広く普及させていきたいと考えています。 オ.「B-ISDNを活用した遠隔教育の取り組み」 新世代通信網実験協議会プロジェクト推進部長 川村 洋介氏 新世代通信網実験協議会(BBCC)では、高速大容量の情報通信 基盤である広帯域ISDN(B-ISDN)を活用したさまざまな実験を進 めています。 その実験プロジェクトの一つとして、遠隔地であっても鮮明な 映像交流により臨場感ある生涯学習環境を実現するため遠隔教育 プロジェクトを実施しています。 今、お話しているのは、大阪産業大学からB-ISDN実験網を通じ て先端センターに双方向で映像と音声を伝送していますが、会場 の参加者は違和感を感じていないのではないかと思います。 実験網は、現在、BBCC、先端センター、梅田シティ、大阪産業 大学と接続されており、これまで遠隔英会話や遠隔講義、遠隔囲 碁教室などを行ってきましたが、今後、園部町とも接続する予定 です。 高度な情報通信基盤を活用して、時間や空間の制約にとらわれ ない生涯学習環境の拠点としてニューコミュニティセンターの実 現をめざしていきたいと考えています。 (4)実習(16:00〜17:00) はりまインターネット研究会の会員により、「はりまこども風土記」 に参加した学校のうち、希望者を対象にホームページの作成研修を実施 しました。 場所:先端科学技術支援センター マルチメディア体験コーナー (技術情報室) 戻る |